ユダヤ人権団体、フランスの小集落の名称変更を要求
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【8月13日 AFP】米国の国際ユダヤ人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Centre)」がフランスのベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相に、パリ(Paris)から約100キロ南にある小集落の名称変更を要求する書簡を送っていたことが分かった。この集落の名は「ラ・モー・オ・ジュイフ(La-mort-aux-Juifs)」。「ユダヤ人に死を」という意味だ。
サイモン・ウィーゼンタール・センターのシモン・サミュエルズ(Shimon Samuels)国際関係部長は書簡の中で、「フランスがナチズム(Nazism)と親ナチスのビシー(Vichy)政権から解放されてから70年間、国内に張り巡らされてきたレーダーをすり抜け、この集落の名が存続してきたことに極めて大きな衝撃を受けた」と述べた。
しかし、農場1件と家屋2棟があるだけのこの集落が属する人口289人の村クルトモー(Courtemaux)の副村長は、「反ユダヤ的な考えの持ち主など一人もいない」と述べ、中世あるいはそれ以前にさかのぼる地名を変える必要があるのか疑問を呈した。また地名変更には村議会の承認が必要だが「20年以上前にも議会で否決された」と述べ、実現は難しいとの見方を示した。1992年に人権団体が仏内務相に働き掛けたことがあったが、名称変更には至らなかったという。(c)AFP