名優ロビン・ウィリアムズ、コメディー演技の裏で見せた影
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■アルコール依存と闘った30年
2010年に英紙ガーディアン(Guardian)が行ったインタビューによると、第1子が生まれた1980年代初めに、一旦はアルコールとコカインを断った。しかし20年後、2003年に米アラスカ(Alaska)州で撮影を行っていた際に再び酒を飲むようになった。
ウィリアムズはインタビューで「当時は働き詰めで、『(酒を飲めば)楽になるかも』と考えた。この世で最低の行いだったよ」と明かしている。しかしこの時、薬物には手を出さなかったという。
再び飲酒をやめられたのは3年後、家族がリハビリ施設へ入所させてからだった。本人によれば、酒を飲み続けたのは2人目の妻との約20年にわたる結婚生活が破綻したことが原因だった。
その後、2009年の心臓手術がウィリアムズの真の分岐点になった。「バリアが破られる。文字通り、よろいが割られるんだ。どうしようもない。自分がこじ開けられ、自分は死を免れられないことを思い知らされる」
ウィリアムズは双極性障害を患っているという報道もある。今年7月には、1年半にわたる過酷な撮影の後で酒に手を出さないようにするためにミネソタ(Minnesota)州のリハビリ施設に入所した。
ウィリアムズが演じた最も有名な役柄のひとつが、映画『グッドモーニング、ベトナム(Good Morning, Vietnam)』(1987)で演じた、ラジオ番組の冒頭で必ず「グーーーーッド・モーニング、ベトナーーーーム!」と叫ぶDJエイドリアン・クロナウアー(Adrian Cronauer)だった。ウィリアムズはユーモアを持ってクロナウアーを演じたが、米国が介入し泥沼化したベトナム戦争を舞台にした作品は、コメディーとは言い難かった。