ロシア、ウクライナ東部に人道支援部隊派遣の意向 欧米は警戒
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【8月12日 AFP】ロシアは11日、赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross、ICRC)と連携してウクライナ東部に人道支援部隊を派遣する意向を明らかにした。これに対し欧米では、人道支援が軍事介入の隠れみのにされるのではないかという懸念の声も上がっている。
これについてウクライナ政府は、支援部隊の派遣は予定されているが、その活動には欧米諸国も関与し、ロシア単独ではないという見方を示している。
ロシア大統領府は声明で、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領が欧州委員会(European Commission)のジョゼ・マヌエル・バローゾ(Jose Manuel Barroso)委員長に電話で「ロシア側は赤十字国際委員会の代表と連携し、ウクライナに人道支援部隊を派遣する」と伝えたと発表した。
さらにプーチン大統領はバローゾ委員長に対し、ウクライナ東部はウクライナ政府軍による軍事作戦で壊滅的な被害を受けているとして、人道支援部隊を直ちに派遣する必要性を訴えたという。
ウクライナ政府軍が同国東部で親ロシア派武装勢力が掌握する複数の大都市の包囲を進める中、ロシアは人道的停戦を強く要請している。しかし欧米諸国は、ロシアが国境地帯に増派しているとされる軍の部隊をウクライナに入らせる口実に人道支援という名目を使うのではないかと懸念している。
これについてドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)露大統領報道官は、ロシアの人道支援部隊に軍は関与しないと強調。同報道官はAFPに対し、「軍による護衛は行わない」と伝えるとともに、人道支援部隊の派遣は「ウクライナ政府との合意に基づいている」と述べた。しかし部隊の詳細や、いつウクライナ入りするのかについては言及しなかった。
ウクライナ側は声明で、ペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領がバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と会談し、オバマ大統領から「赤十字国際委員会の主導により、欧州連合(EU)とロシア、ドイツ他のパートナーが参加し、ルガンスク(Lugansk)へ国際人道支援部隊を派遣する」ことへの支持を取り付けたと発表。さらに、「オバマ大統領は、その国際人道支援部隊で米国が積極的な役割を果たすと言明した」としている。
欧州委員会は声明で、「プーチン大統領との会談でバローゾ委員長は、紛争の結果困窮している人々を支援する国際活動にEUも参加する意思を伝えた」としている。同時に、「バローゾ委員長は、人道支援を含むいかなる名目の下でも、ウクライナ国内でのロシア単独の軍事行動は行わないよう警告した」という。(c)AFP