【8月11日 AFP】米ニューヨーク(New York)州ワトキンズグレン(Watkins Glen)のワトキンズ・グレン・インターナショナル(Watkins Glen International)では10日、NASCARスプリントカップ・シリーズ (NASCAR Sprint Cup Series) の「Cheez-It 355」が行われたが、前日のレースで死亡事故を起こしたトニー・スチュワート(Tony Stewart)は、出場を見送ることになった。

 ストックカーレース界でもファンが多いスチュワートだが、9日にニューヨーク郊外で行われたエンパイア・スーパー・スプリンツ(Empire Super Sprints)のレースで、20歳のケビン・ワード・ジュニア(Kevin Ward Jr.)をはねた。

 キャナンデーグア・モータースポーツ・パーク(Canandaigua Motorsports Park)で行われていたレースの途中、スピンしたマシンから脱出したワードは、コース上で他車への指示を出していた。そこにスチュワートの車が衝突し、ワードの体を数メートル引きずった。

 10日のレース欠場を表明したスチュワートは、「ケビン・ワード・ジュニアの命を奪ってしまったことに対する気持ちを、言葉で表現することはできません」とすると、「関係者全員が感傷に浸っています。こういった理由で、今日のレースには出走しない結論に至りました」とコメントしている。

 43歳のスチュワートは、警察で事情聴取を受けた後に解放されている。警察によれば、スチュワートは協力的な姿勢をみせており、捜査は今後も続くが、現在のところ罪に問われることはない。

 所属チームのスチュワート・ハース・レーシング(Stewart-Haas Racing)は、「信じられない悲劇だ。われわれの心は、ケビンと彼のご家族と共にある」と発表し、「スチュワート・ハースとトニー・スチュワートも含めた全員にとって、感傷的なつらい時間だ。トニーが今日の出走を見送るのは、全員の意志だ」としている。(c)AFP