イスラム国への攻撃、長期化の可能性を示唆 オバマ米大統領
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【8月10日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は9日、イラク北部のイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」に対する米軍の作戦は「長期的なプロジェクト」だと述べ、作戦が長期化する可能性を示唆した。
米軍はすでに空爆でイスラム国の火砲などを破壊したが、オバマ氏は記者団を前に「私は決まったタイムテーブルは提示しない。なぜなら当初から言っているように、米国の兵士や施設が脅かされたときはいつでも、どこであろうと、彼らを守ることが最高司令官である私の義務であり責任だからだ」と述べ、作戦が「何か月も」続く可能性を示した。
オバマ氏はイスラム国の旧名称「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant、ISIL)」を使って、「ISILが山地に入り、そこに隠れている人々を虐殺することは防げると確信している。だが次の段階は、山地からどうやって人々を安全な場所へ移すかだ」と述べ、電話会談したデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相とフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領も協力する考えを示したことも明らかにした。
オバマ氏はまた、「私がいま最も重視しているタイムテーブルはイラク政府の樹立だ。政府なしにイラク国民がISILとの戦いで団結することはないからだ」も述べ、早期の挙国一致政府の樹立を呼びかけた。
オバマ氏は、イラクにおける民族や宗派間の深い溝がイスラム国との戦いを妨げていると強調し、挙国一致政府が樹立してこそ戦いやすくなり、国際的な支持も得られるとして、「最終的にイラクの治安と安定を取り戻すことができるのはイラク人だけだ。米国にはできないが、私たちは彼らの努力に手を貸すことはできるし、そうするつもりだ」と述べた。(c)AFP/Olivia HAMPTON