【8月8日 AFP】ウクライナ東部の親ロシア派が掌握する地域で7日、低空飛行していたウクライナ軍の戦闘機が爆発し、炎上しながら墜落する様子を、AFP取材班が目撃した。

 AFPのスタッフは、戦闘機が空中で爆発し、真っ青な空を背景に少なくとも操縦士1人のパラシュートが開いたのを見た。

 墜落後も炎を上げて燃える同機の残骸付近の地面が黒く焦げた辺りを、武装した親露派戦闘員2人が走り回り、取材班に向かって現場から立ち去るよう大声で命じた。上空では、高い位置を飛ぶ別の飛行機の音が聞こえていた。

 地元住民の1人(17)はAFPに対し、同機が撃墜された後に少なくとも2つのパラシュートが見えたと語った。「戦闘機が頭上を通り過ぎた後で爆発があった。パイロット2人が脱出した」としている。

 ウクライナ軍報道官は、親ロシア派が拠点としているドネツク(Donetsk)の北東40キロ付近で、親ロシア派が戦闘機を撃墜したと認め、「操縦士は何とか住宅地を回避した」と述べた。現在操縦士の捜索・救出活動を行っているという。

 現場は、先月17日高度約1万メートルを飛行していて撃墜され、乗客乗員298人全員が死亡したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便の墜落地点から西へ40キロほど離れた場所でもある。

 約4か月前に親ロシア派が同国東部で激しい戦闘を開始して以来、死者は1300人を超えており、ウクライナ軍は多くの航空機を失っている。(c)AFP