バス集団レイプ想起させるファッション写真、インドで非難殺到
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【8月7日 AFP】2012年にインドを揺るがした集団レイプ殺人事件を想起させるようなファッション写真が、同国で激しい抗議や法的措置を求める声を巻き起こしている。
ムンバイ(Mumbai)を拠点とする写真家のラジ・シェティ(Raj Shetye)氏による写真企画「The Wrong Turn(誤った進路)」は、数日前に同氏のオンラインポートフォリオに登場し、その後削除された。しかし削除以降も、写真はさまざまなメディアに掲載されている。
一連の写真は、高級ファッション服飾に身を包んだ女性モデルが、バスの車内で同じくスタイリッシュな服装をした男性の集団に襲われ、体をまさぐられるという内容。うち1枚では、男性モデルがバスの床に座り込んだ女性をまたいで立っている。別の1枚では、男性2人に腕をつかまれた女性がもがいている。さらに別の写真では、女性が男性2人に座席に押さえつけられている。
インドでは、バスに乗った女子学生が集団レイプの末、殺害される2012年12月の事件をきっかけに、女性への性的暴力に対する国民的な抗議行動が起きており、これら写真は同国のソーシャルメディアで激しい批判を浴びた。
インド国家女性委員会(National Commission for Women)のニルマラ・サマント(Nirmala Samant)会長は、ムンバイ市警署長に一連の写真に対する捜査を申し立てたことを明らかにするとともに、当局は何らかの法的処置を講じるべきだと述べた。
一方のシェティ氏は、声明で自らの作品を擁護。「自分が最も良く知っている媒体を通じて自分を表現しようとした」と述べ、非難は誤解に基づくものだと主張した。
「女性を不安にさせる問題に対し、世論を形成するような芸術を作ることが純粋に目的だった」とシェティ氏は述べている。(c)AFP/Rachel O'BRIEN