【8月6日 AFP】6月にイスラエルの10代少年3人が行方不明となった後に遺体で見つかった事件で、イスラエル警察は5日、少年らを誘拐し殺害した集団の指導者とみられるパレスチナ人の男を逮捕していたことを明らかにした。

 警察発表によると、逮捕されたのはホッサム・カワスメ(Hossam Kawasmeh)容疑者。イスラエル人少年3人を誘拐、殺害したとされる武装集団を指揮していた疑いで、前月に東エルサレムのアラブ人地域、シュアファト(Shuafat)地区で治安部隊に身柄を拘束されたという。

 事件はイスラエルの10代の若者、ギラド・シャエル(Gilad Shaer)さん、ナフタリ・フレンケル(Naftali Frenkel)さん、ヤル・イフラフ(Eyal Ifrach)さんの3人が6月12日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区(West Bank)南部のバス停でヒッチハイクをしているところを目撃されたのを最後に行方不明になったもので、3人は30日に他殺体で発見された。

 犯行声明は出ていないが、イスラエル側はイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が3人を誘拐し殺害したと主張。ヨルダン川西岸でハマス関係者の一斉摘発を行い、これにハマスはガザ地区(Gaza Strip)からイスラエルに向けたロケット弾発射で応酬した。

 イスラエルメディアによると、カワスメ容疑者は取り調べに対し、ガザ地区のハマス工作員から資金援助を受けて誘拐グループのメンバーを募り武器を調達したと供述しているという。

 イスラエル警察は、3少年殺害との関連でカワスメ容疑者の他にもパレスチナ人2人の行方を追っていることを明らかにした。(c)AFP