【8月6日 AFP】この秋、世界初となる「培養肉の料理本」が出版される──その中身は恐竜の脚のロースト、巨鳥ドードーのナゲットなど、奇抜なレシピぞろいだ。

 培養肉の料理本「The In Vitro Meat Cookbook(試験管肉クックブック)」は5日、オランダ・アムステルダム(Amsterdam)で発表された。ちょうど1年前には、世界初の培養牛肉でつくったハンバーガーが英ロンドン(London)で披露され、世界の食革命に火がつくと期待された。

「肉は、生きた動物から採取した細胞を生物反応器で成長させて作ることができる」との考えに基づいた186ページの料理本には、未来の「培養肉製品」の姿として多くの新しいアイデアが盛り込まれている。

 全てのレシピはシェフとデザイナー、アーティストのチームが創作したと、同料理本の共同著者で科学者・哲学者のKoert van Mensvoort氏は説明。「革新的でとても美味な料理もあるが、薄気味悪くてゾッとするような物もある」と付け加えた。

 同料理本はまた、調理するための「自家製肉」を培養キットを使ってどのように作るのかも説明している。例えば「肉食恐竜のロースト」では、解剖学的に正確な恐竜の身体部分が必要となるため、鶏肉から採取した組織を使い、3Dプリンターで作った「恐竜の骨」のまわりに肉を培養するとしている。

 また別のレシピでは、英オックスフォード大学自然史博物館(Oxford University Museum of Natural History)に保管された巨鳥ドードーから採取したサンプルを基に、組織再生および最新の遺伝子配列解明の技術を用いることで、歴史愛好家たちは「1598年にモーリシャスを訪れた最初の人々がこの島で何を(口に)したか」を試すことができるとしている。

 著者のMensvoort氏は、「代用品としての試験管肉の枠を越えて、創造性に富む可能性を探求した。いつの日か、われわれの皿に試験管肉製品がどのような姿で登場するかを視覚化したものだ」と述べている。(c)AFP