【8月5日 AFP】米IT大手グーグル(Google)が、児童ポルノを所持していたユーザーを米テキサス(Texas)州の警察に通報していたことが明らかになった。

 テキサス州ヒューストン(Houston)の飲食店従業員ジョン・ヘンリー・スキラーン(John Henry Skillern)容疑者は7月31日、ワシントン(Washington D.C.)郊外に拠点を置く全米失踪・被搾取児童センター(National Center for Missing and Exploited ChildrenNCMEC)を通じてグーグルから警察へ提供されたユーザー情報に基づき逮捕された。

 世界のインターネットサービスを先導するグーグルやその競合他社が、よりきめ細かい広告提供を行うためにユーザーのオンライン行動を追跡していることは周知の事実だが、今回の事例は、グーグルが自社ユーザーの行動に関する情報を法執行機関にどの程度提供しているのかについての懸念を呼んでいる。

 だがグーグルの広報担当は4日、AFPのメール取材に対し「残念なことにすべてのインターネット企業は児童性的虐待に対処する必要がある。ゆえにグーグルでは(グーグル)検索やGメール(Gmail)を含む弊社サービスから違法画像を積極的に削除しており、虐待事例に関しては速やかにNCMECに報告している」と回答し、自社の方針の正当性を主張した。

 なお、世界で4億人以上が利用するグーグルのメールサービス、Gメールでは「プログラムポリシー」と称する利用規約の中で「児童の性的虐待画像に対して断固とした措置」をとる方針を掲げている。

 NCMECでは、オンライン上で児童性的虐待が疑われる人物の情報をネットサービス事業者から警察に仲介する「サイバーティップライン(CyberTipline)」という通報受付窓口を運営している。AFPのメール取材に応じたNCMECは、連邦法ではインターネットサービス事業者に対し、児童ポルノが疑われる場合は同窓口への通報が義務付けられていると述べた。

 今回の件を最初に報道したヒューストンの地元テレビ局KHOUは4日、自局ウェブサイトで、スキラーン容疑者が20年前に8歳の少年への性的暴行で有罪判決を受け、性犯罪者として当局に登録されていると報じた。家宅捜索を行った捜査班は、本人の携帯電話とタブレット型端末から児童ポルノ画像を発見した他、携帯電話からはスキラーン容疑者が調理係として勤務しているファミリーレストラン「デニーズ(Denny’s)」を訪れた子どもたちの動画が見つかったという。(c)AFP/Robert MACPHERSON