【8月5日 AFP】ウクライナ危機で欧米から制裁を受けているロシアで旅行会社が相次いで経営難に陥ったため、約1万6000人のロシア人旅行者が海外で足止め状態になっている。ロシアの観光業界関係者が4日、明らかにした。

 欧米の対ロシア制裁の影響でロシア経済は冷え込み、ロシアの通貨ルーブルも下落。外国を訪れるロシア人の数は半減したと業界関係者は語る。

 こうした影響からロシアの旅行会社ラビリント(Labirint)は2日、業務停止を発表。これによりロシア人2万7000人が復路チケットを入手できず海外に取り残されたと、ロシアの旅行代理店各社が取り扱うツアーの情報提供などを行っている「ツアーヘルプ(Tourhelp)」が4日、明らかにした。

 緊急手配によりおよそ3分の1が帰国したが、現在も1万6000人弱のロシア人が海外で足止めされているという。

 ロシア連邦観光庁(ロスツーリズム、Rostourism)のオレグ・サフォーノフ(Oleg Safonov)長官代理は「今週末までには全員を帰国させたい」と、記者らに語った。

 ロシアでは、長引くウクライナ紛争の影響で海外旅行の予約客が急減。この3週間で業務を停止した旅行会社はラビリントが4社目で、当初は5万人以上が海外に取り残されていた。(c)AFP/Richard LEIN