【8月5日 AFP】第1次世界大戦(World War I)でドイツがベルギーに侵攻してからちょうど100年を迎えた4日、ベルギー東部の工業都市リエージュ(Liege)で追悼式典が行われた。出席した各国の首脳はウクライナをはじめ多数の危機に直面している今、過去の大戦から生かすべき教訓があると警鐘を鳴らした。

 ドイツ軍の侵攻を粘り強い戦闘で阻止したという同地にあるコワント戦没者合同慰霊塔(Allied War Memorial of Cointe)で同日開かれた追悼式典には、英国、アイルランド、ドイツ、オーストリア、ブルガリア、マルタといった欧州各国の首脳が出席した。

 ベルギーのフィリップ国王(King Philippe)は、「平和を共通の目標にしなければならない」としたと述べた。「第1次世界大戦は、人々を団結に導くというわれわれの責務を改めて想起させる」

 英国のウィリアム王子(Prince William)とキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)夫妻をはじめ、約80か国の元首や代表者らが耳を傾ける中、フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、中立国ベルギーにドイツ軍が侵攻したことによって、バルカン半島(Balkans)の一部の争いが世界大戦に発展した史実を今日の世界情勢になぞらえた演説を行った。

 オランド大統領はウクライナ危機を踏まえ、「欧州から遠くない場所に暮らす人々が自らの権利のために戦っている時に、果たしてわれわれは中立であり続けられるだろうか」と述べた。さらに「民間旅客機が撃墜される時に、…またイラク、シリア、レバノン、ガザ(Gaza)で紛争が起こっている時に、われわれは中立であり続けられるだろうか」と問い掛け、「われわれは中立のままではいられない…欧州は国連(UN)と共に責任を果たすべく尽力しなければならない」と呼び掛けた。

 またドイツのヨアヒム・ガウク(Joachim Gauck)大統領は、欧州が「自由、法の支配、覚醒、寛容、正義、博愛心を積極的に擁護すべき」時代に、ドイツは「軍の論理」のみに基づいて戦争に踏み切ったという考えを示した。(c)AFP/Bryan McManus