豪エイズ会議参加者らが亡命希望、アフリカ諸国での弾圧恐れ
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【8月4日 AFP】豪メルボルン(Melbourne)で先月開催された国際エイズ会議(International AIDS Conference)に世界各国から参加した人々のうち、約25人が帰国を恐れてオーストラリアへ亡命を申請する意向であることが4日、難民支援団体などの発表で明らかになった。
路上生活者の宿泊所確保を支援しているメルボルン市の非営利団体(NPO)「ホームグラウンド・サービシズ(HomeGround Services)」によれば、ウガンダやタンザニアなどのアフリカ諸国から参加した14人が同団体の支援を要請し、亡命申請へ向けた手続きを取っている。
また同じくメルボルンを拠点とする難民支援団体「亡命希望者情報センター(Asylum Seeker Resource Centre)」によると、これまでに約25人がビザの期限切れ後も豪州にとどまる方法について助言を求めたとみられている。
後天性免疫不全症候群(AIDS、エイズ)をめぐる偏見や差別の問題は、今年の国際エイズ会議で繰り返し議題に上った。参加者らは、ウガンダなどでいまだ存在する同性愛行為に実刑を科すことを定めた法律について、世界のエイズ患者の多くを占めている性的マイノリティーを標的とし、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染拡大を助長する条件を作り出していると指摘した。
亡命希望者情報センターのパメラ・カー(Pamela Curr)氏は豪放送局ABCに対し「(亡命を希望しているのは)明らかに、エイズ関連の分野で働くことが、生命に危険を及ぼす国々から出席した代表たちだ」と語っている。(c)AFP