【8月4日 AFP】サッカー元イングランド代表ストライカーのギャリー・リネカー(Gary Lineker)氏は、国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)を「吐き気がするほど」腐敗していると糾弾し、2022年のW杯(2022 World Cup)開催地がカタールに決定したことについて「ばかげている」と述べた。

 開催地がロシアに決まった2018年W杯(2018 World Cup)の招致活動で、イングランドの招致委員を務めたリネカー氏は、票の獲得に成功するための唯一の方法は、卑劣な策を用いることだと示唆した。

 リネカー氏は男性誌「GQ」で、「(2010年12月にチューリヒ(Zurich)で)開催地がカタールに決まる前夜、私はデビッド・ベッカム(David Beckham)と一緒にハンバーガーを食べていました」と切り出した。

「私たちは、支持を得るための活動をしていて、英国のウィリアム王子(Prince William)とデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相も訪れていました。その時、私はベックス(ベッカム)に、『まともな活動をしているのは、われわれだけだ。すべてがきな臭い。結果は、あらかじめ決まっている』と言いました」

「FIFA全体に対して、本当に腹が立ちます。組織のトップが腐敗しており、吐き気がするほどです」

「(FIFA会長の)ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)氏についても同じです。彼は長い間、独裁者のように君臨し、愚かなことを多くやらかしています」

 22年のW杯開催地がカタールに決まったことについてリネカー氏は、「ばかげています。世界の他地域で開催することに異議を唱えているわけではありません。しかし、夏季のカタールが猛暑になるとFIFAが分かっていたはずだというのは、想像がつくでしょう」と答えた。

 FIFAが腐敗し、もはや役目を果たしていないかどうか尋ねられるとリネカー氏は、「そう思います。サッカーは世界規模のスポーツで、多くの人に影響力がありますから、本当に残念なことです」と述べた。

「変革の可能性を探る唯一の方法は、潔白な国々が反旗を翻して、『いいか、われわれはFIFAの大会には参加しない』と言うことです。しかし、それは起こりえません。リスクが大きすぎますからね」

 計80試合に出場したイングランド代表で史上2位となる通算48得点を記録している53歳のリネカー氏は、現在英国放送協会(BBC)の番組で司会者を務めている。(c)AFP