エボラ感染の米国人医師に「回復傾向」、CDC所長
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【8月4日 AFP】西アフリカのリベリアでエボラ出血熱に感染後、救急ジェット機で帰国して治療を受けていた米国人医師について、米保健当局高官は3日、「快方に向かっているようだ」との見解を示した。同医師は、リベリアでエボラ出血熱患者の治療に当たっていた。
西アフリカでエボラ出血熱に感染した米国人の救援活動従事者2人のうちの1人、ケント・ブラントリー(Kent Brantly)医師は現在、ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)にあるエモリー大学病院(Emory University Hospital)の隔離病棟で治療を受けている。
アトランタに本部を置く米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)のトム・フリーデン(Tom Frieden)所長は、米CBSテレビの報道番組「フェイス・ザ・ネーション(Face the Nation)」で、「エボラ出血熱は致死率が極めて高い。非常に恐ろしい病気だ」と述べた上で、「快方に向かっている様子に勇気づけられている。これは実に重要なことで、この傾向が今後も続くことを願っている」と続けた。
今回のエボラ出血熱の流行で、西アフリカではこれまでに700人以上が死亡している。エボラウイルスが1976年に出現して以来、感染者の3分の2は死に至っている。
米首都ワシントン(Washington D.C.)では4日から、米・アフリカ首脳会議が3日間の日程で開催が予定されている。会議には、アフリカ諸国の首脳とその関係者ら約50人が参加する予定となっているが、米政府高官は最近の感染拡大が会議の開催に影響することはないと断言している。
バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領の上級顧問、バレリー・ジャレット(Valerie Jarrett)大統領上級顧問は、CBSの同番組で「エボラ感染の状況をめぐっては、今後もしっかりと監視を続けていく」としながら、「首脳会議は大きな成功を収めると確信している。そのために必要な予防策も講じる予定だ」と述べた。
CDCのフリーデン所長は、西アフリカでエボラウイルスの感染が拡大しているが、それでもウイルスの封じ込めは可能と強く主張。「明白な事実は、それを阻止できるということだ。病院での感染もアフリカでの感染も阻止できる。実際に、過去に発生した流行はすべて阻止してきた。今回も阻止できると私は確信している」
感染拡大の影響を受けている3か国に公衆衛生の専門家50人を30日以内に増員配置する、とフリーデン所長は述べた。