【8月3日 AFP】西アフリカのリベリアでエボラ出血熱患者の治療に当たり、自身も感染した米国人医師のケント・ブラントリー(Kent Brantly)氏が2日、民間の小型救急ジェット機で帰国し、治療のため病院の隔離施設に収容された。

 ブラントリー氏を乗せたジェット機「ガルフストリーム(Gulfstream)」は、米ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)郊外のドビンズ空軍予備役基地(Dobbins Air Reserve Base)に着陸し、格納庫近くで停止した。そこで待機していた救急車などの車列が、同氏をエモリー大学病院(Emory University Hospital)に搬送した。

 映像では、白い防護服姿の3人が救急車を降り、そのうちブラントリー氏と思われる1人が病院に慎重に誘導されていく様子がとらえられている。

 同じく西アフリカでエボラウイルスに感染したキリスト教系支援団体サマリタンズパース(Samaritan's Purse)の米国人支援要員ナンシー・ライトボル(Nancy Writebol)さんも、数日内にブラントリー氏と同様の方法で帰国する予定。

 2人を収容するエモリー大学病院の隔離施設は先端医療設備を備えており、2002~03年にアジアで重症急性呼吸器症候群(SARS)が発生した際にも感染者の治療に利用された。こうした施設はエモリー大学病院を含め米国内に4か所しかなく、同大学病院の施設はアトランタ市内にある米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)本部にも近い。

 米国内の医療施設でエボラ出血熱の治療を受けるのは帰国したブラントリー氏が初めて。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI