【8月1日 AFP】韓国の国家情報院(National Intelligence ServiceNIS)によると、北朝鮮が7月30日から新紙幣の発行を始めた。個人の蓄財をはき出させるのが狙いとみられる。

 聯合(Yonhap)ニュースが1日伝えたところによると、NISは7月31日に韓国議会で開かれた委員会への説明で、先月30日から新紙幣が北朝鮮で発行されていることを明らかにした。

 NISによれば、期間は定かでないものの、一定の猶予期限までは旧紙幣の使用や新紙幣への交換が認められるが、その後旧紙幣は法定通貨の地位を失うことになるという。

 与党・セヌリ党(Saenuri PartyNew Frontier Party)の李喆雨(イ・チョルウ、Lee Cheol-Woo)議員は委員会閉会後、聯合ニュースに「これは明らかに、人々が貯め込んだ現金をはき出させることを狙った措置だ」と語った。

 北朝鮮では闇市場が発達し、ある程度の規模で、国による配給システムに取って代わる存在となっている。また他国の通貨、とりわけ中国の元が広く流通し、闇両替も発達している。

 今回の新紙幣発行に際しては、2009年に大混乱をもたらした通貨のデノミネーション(通貨呼称単位の変更)のような新たな通貨改革は行われなかったとみられる。

 北朝鮮では2009年、成長する民間市場を抑え込む政策の一環としてデノミが行われ個人貯蓄が壊滅、北朝鮮では異例の抗議行動が起きる事態となった。(c)AFP