アマゾン先住民、外部と接触の瞬間 ブラジル当局が映像公開
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【7月31日 AFP】ブラジル政府当局はこのほど、アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で暮らす先住民が外界との接触を試みる瞬間を捉えた映像を公開した。
映像には、パノ語族(Panoan)に属するとみられる先住民の人々が、ペルーとの国境に近いブラジル北部エンビラ川(Envira River)沿岸地域に住むアシャニンカ(Ashaninka)人と接触する様子が写っていた。警戒する様子の先住民2人は、ショーツを着用したアシャニンカ人が差し出したバナナをつかむと、すぐに身の安全が確保できる距離まで移動していた。
専門家らは、映像の先住民らがペルーから国境を越えてきたとみており、その背景には、ペルー側で横行する違法伐採や麻薬密売の影響が考えられるという。
アシャニンカの人々と先住民との接触が最初に捉えられたのは6月26日。その後、ブラジル国立先住民保護財団(National Indian Foundation、FUNAI)のチームが現地に赴き、30日に2度目となる双方の接触の様子を撮影。その様子を捉えた動画がブラジルのニュースサイト「G1」に掲載された。
FUNAIのカルロス・トラバソス(Carlos Travassos)氏によると、この先住民らについては「リオ・シナネ(Rio Xinane)」と呼ばれる人々であることが確認できたという。また当時の様子について、短時間だけ姿を見せた後に口笛を吹いたり動物の音をまねたりしながら熱帯雨林の中に消えていったと説明している。
2回目の接触を試みた際には、パノ語を話す先住民の通訳らが同行した。パノ語での意思の疎通は可能だったと話す通訳の1人によると、彼らは武器と味方を探していたとされ、「先住民ではない者から攻撃を受けた。インフルエンザとジフテリアで仲間の多くが死んだ」と話していたという。
人類学者のテリ・アキノ(Terri Aquino)氏は、彼らがおのやナイフなどを探していたとみており、仲間内で内紛があったことに加え、外部との接触があったことを背景に「彼らの生活にとって重要な技術を求めていたのでは」と話している。
FUNAIは、アマゾンの熱帯雨林地域には世界で最も多い77の未接触のグループが暮らしていると推定している。(c)AFP