【7月30日 AFP】ポップス界のアイドルやプロのスポーツ選手など世界のセレブたちが、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃に対する強い批判を、ファンの視線に臆することなくソーシャルメディア上で公にしている。

 ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)に対するイスラエルの攻撃が4週目に突入し死者の数が増え続ける中、世界のセレブたちの共感はおおかたパレスチナ側に傾いている。

 今、渦中の人となっているのは英男性アイドルグループ、ワン・ダイレクション(One Direction)のゼイン・マリク(Zayn Malik)さん(21)。27日、マイクロブログのツイッター(Twitter)上の自分のアカウントにハッシュタグ「#FreePalestine」(パレスチナに自由を)を投稿し、パレスチナ情勢への懸念を表明した。

 世界に1300万人のフォロワーを持つマリクさんの投稿は、29日までに22万回リツイート(引用)されたが、賛成するファンもいた一方で、イスラエルのファンを怒らせもした。中には、パキスタン系英国人でイスラム教徒のマリクさんに対し、殺害の脅迫を書き込む投稿もあった。

 歌手のリアーナ(Rihanna)さんやバスケットボール選手のドワイト・ハワード(Dwight Howard)さんが、マリクさんと同じハッシュタグに投稿して以降、ガザ攻撃に関する論争に参加するセレブが増えている。多くはこれまで政治運動とは縁がなかったセレブたちだ。

 ガザ攻撃に関するツイートを観察している米ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)メディア学教授のウィリアム・ユーマンズ(William Youmans)氏は29日、AFPの取材に対し、ソーシャルメディアによってセレブたちは世界中の何百万人というファンと直接関わるという、これまでにはなかった力を得たと述べた上で、「しかし政治的な事柄に足を踏み入れると、一部のファンを遠ざけるリスクを背負うことにもなる」と語った。