【7月25日 AFP】炎天下の暑さの中、止めた車の中に子どもを残してその場を離れる──この行動は明らかに間違っているが、驚くほど頻繁に発生し、悲劇的な結果をもたらしている。

 米当局者によると、1998年から2013年までの間に米国では毎年平均38人が車内で熱中症になり、死亡している。その大半は5歳未満の子どもたちだ。

 今年はすでに、早くも17人が犠牲になっていることを受け、運輸省は親や保護者らに対し、決して子どもだけを中に残して車を離れることがないよう訴える全米規模の広報活動を開始した。

 キャンペーンの開始が発表された首都ワシントン(Washington D.C.)で紹介されたダークグリーンのシボレー・クルーズ(Chevrolet Cruze)のセダンの車内に設置された温度計は、曇りで気温が25.7度だったこの日でも、35.6度を示していた。

 米道路交通安全局(National Highway Traffic Safety AdministrationNHTSA)によると、車内で熱中症を起こして亡くなった子どもの29%は、自ら車に乗り込んでいた。しかし、52%は大人に車内に置き去りにされていた。

 メリーランド(Maryland)州ボルティモア(Baltimore)にあるジョンズ・ホプキンス大学小児センター(Johns Hopkins Children's Center)の小児科医、レティシア・マニング・ライアン(Leticia Manning Ryan)氏によれば、幼い子どもたちは大人の3~5倍速く体温が上昇することもあるため、特に危険にさらされやすい。

 今年初めに世論調査会社のパブリック・オピニオン・ストラテジース(Public Opinion Strategies)がインターネットで実施した調査によると、子どもを持つ米国人の11%(うち3分の2が男性)が、止めた車の中にうっかり子どもを残し、ドアをロックして車を離れたことがあると答えた。同社はこの結果について、全米150万人以上の親にこうした経験があるということを意味すると指摘している。(c)AFP/Robert MACPHERSON