日本の労働力活性化 鍵は「女性嫌悪」一掃 UNDP総裁
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【7月28日 AFP】国連開発計画(UN Development Programme、UNDP)のヘレン・クラーク(Helen Clark)総裁はAFPのインタビューに応え、日本は経済を活性化させるさらなる取り組みの一環として労働力にもっと多くの女性を引き込みたければ「女性嫌悪をなくす」よう努力する必要があると述べた。
東京でUNDPの2014年版「人間開発報告書(Human Development Report)」の発表前にインタビューに応じたクラーク氏は、ニュージーランド首相を務めた経験を持ち、国連(UN)で潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)氏を継ぐ次期事務総長候補の一角と目されている。
クラーク氏は日本女性の社会進出の状況について「日本では依然、議会や意思決定者、企業のトップレベルなどにおける女性比が非常に低く、日本の女性にとってはまだ打ち破るべき壁がある」と語った。日本は先進国の中で最も女性の労働力参加率が低い国に数えられており、人口の高齢化が急速に進む中、日本の経済が成長するためには働く女性の数を増やす必要があるという点で経済専門家たちの意見は一致している。
しかし、保育施設の不足や女性のためのキャリア支援の少なさに加え、社会に染み付いている性差別が女性を家に縛り付けている原因だとも非難されている。安倍晋三(Shinzo Abe)首相はデフレと低成長に悩む経済を活性化させる試みの一環として、女性の労働力参加の促進を掲げているが、都議会では先月、自民党内の男性議員が他党の女性議員に性差別的なやじを飛ばし問題となったばかりだ。
クラーク氏は性差別は他の先進国でも依然、女性にとって問題となっている点を指摘しつつ安倍首相の政策姿勢を評価し、「女性にとって違いを生む非常に実質的な提言であり投資だ」と述べた。さらに「日本の女性が一緒になって政党制度を通じてさらに多くの女性を引き込めば、女性のニーズという視点を明確に主張する人々が増え、そうすれば、私たちが目にしている類の女性嫌悪的な批判は減り始めるだろう」と語った。(c)AFP