「娘はまだ生きている」 信念の両親、MH17便墜落現場へ
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【7月25日 AFP】乗客乗員298人を乗せてウクライナ東部の親ロシア派支配地域に墜落したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便に搭乗していた女性の両親が、娘はまだ生きているとの信念を胸に、オーストラリアからウクライナへと向かった。豪メディアが25日、報じた。
イェルジ・ディジンスキー(Jerzy Dyczynski)さんとアンジェラ(Angela Dyczynski)さん夫妻の一人娘であるファティマ(Fatima Dyczynski)さん(25)は、豪パース(Perth)に住む両親の元を訪れるため、オランダ・アムステルダム(Amsterdam)からマレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)に向かった同便に乗っていた。
アムステルダムのスキポール空港(Schiphol Airport)に到着した医師のイェルジさんは豪紙オーストラリアン(Australian)に対し、「今でも娘は生きていると思っている。これから(ウクライナ東部の)ドネツク(Donetsk)に行き、娘を捜し出す」と語った。
宇宙科学者のファティマさんについてイェルジさんは、シートベルトをして着席した状態で機体から放り出され、座席が墜落の衝撃を和らげた可能性もあると考えている。
イェルジさんはさらに、「携帯電話についてのCNNの報道があっただろう?だから私たちは行くんだ」と話した。米CNNテレビは、MH17便の乗客の携帯電話に親族が連絡したところ、全く知らない人物が応答したと伝えていた。
オランダの調査当局にDNAサンプルを提供する予定の夫妻は、危険があると警告されているものの、何があっても墜落現場に行くつもりだ。
豪AAP(Australian Associated Press)通信によると、ウクライナの首都キエフ(Kiev)に到着したアンジェラさんは「いいえ、心配はしていません。心配しないで。信頼できる人と一緒だから」と記者団に語った。
イェルジさんは「生存者について、誰も何も言わない。それには理由があるはずだ。まだ生存者がいることを示す証拠もある」と話したという。
MH17便にはオーストラリア国民28人と永住権取得者少なくとも9人が搭乗しており、今回の惨事に多くの国民は心を痛めている。(c)AFP