【7月27日 AFP】太陽系外惑星3個の大気をかつてないほど詳細に観測した結果、予想以上に水がほとんど存在しないことが判明したとの研究論文が24日、発表された。この結果は、水が豊富に存在する地球に似た世界の探査が困難に直面する可能性を示唆しているという。

 英ケンブリッジ大学(Cambridge University)などの研究チームはハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)を使用し、「多量の水」が見つかることを期待して、太陽に似た星を周回しているガス状巨大惑星3個の大気を詳細に観測した。

 地球から60光年から900光年離れたところにあるこの3個の惑星は、気温が900度から2200度と非常に高温のため、水蒸気を検出するための理想的な候補とみられていた。

 だが研究チームが「発見したのは、ほぼ乾燥に近い状態だった」と、同大から発表された声明は述べている。

 研究を率いたケンブリッジ大天文学研究所のニック・マドゥスダン(Nikku Madhusudhan)氏は「今回検出されている水の存在量がこれほど低いのは、極めて驚くべきことだ」と語る。「地球外生命の探査において、地球型の太陽系外惑星で水を検出するのがいかに困難な取り組みになる可能性があるかを、今回の結果は示している」

 研究チームによると、今回観測した惑星の1つ、惑星HD 209458bには、これまで太陽系外の惑星に対して実行された中で最高精度の化合物測定を行ったという。

 他の2個は、惑星HD 189733bと惑星WASP-12bだった。

 声明によると、これら3個の惑星で検出された水の量は、標準的惑星形成理論で予測された量の10分の1から1000分の1だという。