【7月24日 AFP】ウクライナで墜落したマレーシア航空(Malaysia AirlinesMH17便の調査を主導するオランダ当局は23日、同機の操縦室のボイスレコーダーのデータは損傷を受けておらず、改ざんもされてないことが分かったと発表した。

 墜落した同機の残骸から回収されたボイスレコーダーとフライトレコーダーは、英国のファンボロー(Farnborough)にある英航空事故調査委員会(Air Accidents Investigation Branch)に引き渡され、分析が進められている。

 調査にあたっているオランダ安全委員会(OVV)は、「操縦室のボイスレコーダーは損傷を受けているが、メモリー・モジュールは無傷だ。また、同装置を改ざんした証拠も痕跡も発見されていない」と発表。「操縦室の録音データの回収に成功し、同便の有効なデータが含まれていることが分かった。データは今後さらに分析と調査が進められる」と説明した。

「チームは明日(24日)、フライトレコーダーの調査を開始する。このレコーダーも関連情報を含んでいることが示されれば、両方の装置からのデータを統合する」という。

 オランダ人193人を含む乗客乗員298人が死亡したMH17便の墜落については、墜落地域を実効支配する親ロシア派の武装勢力による残骸と犠牲者の遺体の扱いをめぐり、各国から非難が集中していた。欧米諸国は、親露派の武装勢力がMH17便を撃墜した証拠があると主張している。

 「ブラックボックス」と呼ばれるオレンジ色のレコーダー2個は、親露派によって22日にマレーシア当局に引き渡されていた。墜落原因の調査は、オランダ安全委員会の主導の下、ロシアを含む8か国が参加して行われている。(c)AFP