マレーシア機搭乗者の遺体「80体足りず」、蘭専門家チーム
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【7月23日 AFP】ウクライナ東部の親ロシア派支配地域に墜落したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便の乗客乗員の遺体を受け取ったオランダの専門家チームは22日、遺体の数が親露派の約束した数よりも約80体少なかったことを明らかにした。また、墜落現場を視察した国際監視団も同日、収容されないままの遺体を確認したと述べている。
オランダ人193人を含む298人を乗せ今月17日に墜落したMH17便は、ミサイルによって撃墜されたとみられている。
親露派の武装勢力は21日、現場から収容した282人の遺体を乗せる保冷機能付きの貨車を、現場から北西に約300キロ離れたウクライナ政府の支配下にあるハリコフ(Kharkiv)に送り出したと述べていた。だが、遺体を引き渡されたオランダの専門家チームによると、列車に乗せられていた遺体は200体のみだったという。
一方、墜落現場を訪れた欧州安保協力機構(Organisation for Security and Cooperation in Europe、OSCE)監視団の報道官は22日、広大な墜落現場の少なくとも2か所で放置されたままの遺体を確認し、「収容作業が行われている様子がないことに衝撃を受けた」と語った。
OSCEの監視団は、墜落現場に散乱する機体の残骸の一部が移動されていたことも確認したと明らかにした。欧米諸国の首脳らは、親露派が墜落現場で重要な証拠を改ざんしていると非難しているが、監視団の報道官は「遺体収容のための措置の可能性もある」として、結論を急がないよう注意を促した。(c)AFP