国際エイズ会議で反同性愛法を批判、HIV感染を助長
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【7月22日 AFP】オーストラリア・メルボルン(Melbourne)で開催されている第20回国際エイズ会議(International AIDS Conference)の出席者らは21日、エイズを引き起こすヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染拡大を助長しているとして、反同性愛法を施行する国々を厳しく批判した。エイズは、過去33年間で約3900万人の命を奪っている。
人権および健康への懸念が複雑に絡み合っているこの問題をめぐっては、同性愛者に平等の権利を与える動きが進んでいる欧米諸国と、反同性愛法が存続、もしくは新たに可決された国々との間に亀裂を生じさせる危険をはらんでいる。
HIVの共同発見者で、6日間にわたる会議の共同議長を務めるノーベル(Nobel)賞受賞者のフランソワーズ・バレシヌシ(Francoise Barre-Sinoussi)氏は、20日の開会式で、その人口に対して感染者数の割合が高いマイノリティに向けた法律を厳しく批判した。
同性愛者やバイセクシュアルというだけで、投獄されたり迫害を受けたりする状況では、HIVの感染を調べる検査や治療に対して後ろ向きになってしまい、結果的に、HIVの感染拡大へとつながってしまう。
出席者約1万2000人が参加する同会議での採択を目指す「メルボルン宣言(Melbourne Declaration)」では、すべてのゲイ、レズビアン、トランスジェンダーの人々に「平等の権利、そしてHIVの感染防止や治療に関する情報およびサービスを利用できる権利の付与」が求められている。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)が先週発表した報告によると、世界79か国で反同性愛法が存在し、そのうちの7か国では死刑が求められることもあるという。(c)AFP/Richard INGHAM