ガザ戦闘2週間、増え続ける民間人死者 米国、47億円の人道支援へ
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【7月22日 AFP】イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に対する軍事作戦を開始してから14日目の21日、パレスチナ側の合計死者数は570人を超えた。一方、エジプト・カイロ(Cairo)で同日に国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長とガザ情勢を協議した米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官は、ガザ地区の犠牲者に対する4700万ドル(約47億円)の人道支援を表明した。
激しい空爆と砲撃が続いているガザ情勢は、2009年以来最悪の状態に陥っている。イスラエル軍は同日、兵士7人が死亡したと発表。イスラエル側の死者数は兵士25人、民間人2人となった。
パレスチナ側の犠牲者の大半が民間人であることを受けて、米国はイスラエルに対し、罪のない一般市民をこれ以上犠牲にしないよう「より大きな措置」を講じるよう促した。また潘国連事務総長は、暴力行為を「今すぐ中止」するよう呼び掛けた。
しかしガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は、依然停戦の呼び掛けには応じていない。21日には、イスラエルがガザ封鎖をやめ、拘束しているパレスチナ人を釈放しない限り、ロケット弾攻撃をやめるつもりはないと断言した。
当局によると、同日のガザ全域への攻撃で、子ども16人を含む少なくとも55人が死亡し、これでイスラエルが今月8日に軍事作戦に踏み切って以来、パレスチナ側の犠牲者数は計572人に上ったという。
多数の民間人が犠牲になっていることへの懸念が強まる中、ガザでの戦闘終結を目指してカイロ入りしたケリー米国務長官は、「ロケット弾による攻撃を受け、自国民を傷つけるための密入国トンネルが掘られていることを、黙って見ている国はない」としてイスラエルのガザ攻撃に理解を示した上で、民間人の死者に対する懸念を表明。米政府がガザ支援として、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に1500万ドル(約15億円)、米国際開発局(US Agency for International Development、USAID)に3200万ドル(約32億円)の提供を約束した。(c)AFP