【7月21日 AFP】中国・上海(Shanghai)市当局は21日、マクドナルド(McDonald's)やケンタッキーフライドチキン(KFC)などの大手ファストフードチェーンに使用期限の切れた食肉を納入していたとして、米食材卸大手OSIグループ(OSI Group)傘下の上海福喜食品(Shanghai Husi Food Co.)の工場を閉鎖したと発表した。

 これに先だち上海のテレビ局は、OSIグループの中国工場が期限切れの食肉を新鮮な食肉と混ぜてマクドナルドの品質検査を欺いているとする疑惑を報じていた。

 上海日報(Shanghai Daily)によれば、問題の工場はマクドナルドとKFCの他にも、バーガー・キング(Burger King)、パパ・ジョンズ・ピザ(Papa John's Pizza)、サンドイッチチェーンのサブウェイ(Subway)、コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)に食肉を納入していたという。

 上海市食品薬品監督管理局の声明によると、当局は20日に工場を閉鎖し、期限切れ食肉を使ったとみられる製品を押収した。現在、警察が捜査を行っており、結果によっては「厳罰」が下ることになるという。

 事態を受け、マクドナルドは問題の工場から出荷された製品の使用を即座に中止したと発表。KFCとピザハット(Pizza Hut)を傘下に持つ米外食大手ヤム・ブランズ(Yum! Brands)も、同様の措置を取ったことを明らかにした。

 中国ではたびたび食の安全を脅かす事件が起きている。背景には、規制の甘さや製造側の手抜きなどがある。

 米小売り大手ウォルマート(Walmart )は今年初め、中国の店舗でロバ肉として販売されていた製品にキツネの肉が混入していたことが発覚し回収を強いられたとして、中国の納入業者に対する検査を強化すると発表していた。また、昨年には牛肉や羊肉と偽ってネズミやキツネの肉を販売していた食品偽装の疑いで、数百人が逮捕されている。(c)AFP