【7月20日 AFP】国連(UN)の世界知的所有権機関(World Intellectual Property OrganizationWIPO)が先ごろ発表した報告書、「グローバル・イノベーション・インデックス(Global Innovation IndexGII)2014年度版」によると、スイスが世界で最も革新的な国とされた。スイスが1位になったのは4年連続。またサハラ以南のアフリカが「最も発展が著しい地域」とされた。

 オーストラリア・シドニー(Sydney)で開催中の20か国・地域(G20)貿易相会合に合わせて公表された報告書は、WIPO、米コーネル大学(Cornell University)、欧州経営大学院(INSEAD、フランス)の研究者が共同でまとめ、毎年公表しているもの。

 2014年度版の調査対象は世界143か国。調査は「技術革新の過程に人間が果たす役割」に特に重点を置いて行われ、「高水準の創造性」につながる幅広い支援体制が整備されているとして、スイスのほか英国、スウェーデン、フィンランドが上位に入った。

 報告書はまた、新興5か国(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)が先進国に追いつく勢いをみせ、特に中国は総合的な質の指標で高所得国の平均スコアを大きく上回ったとしている。

 新たにブルキナファソ、ガンビア、マラウイ、モザンビーク、ルワンダの5か国が、いわゆる「イノベーション学習国(innovation learner、高所得国、中所得国、低所得国の各グループの中で国内総生産(GDP)の水準が他国よりも10%以上高い国)」に仲間入りしたサハラ以南のアフリカは、世界で最もイノベーション学習国が多い地域になった。またこの地域の一角を占めるコートジボワールは調査対象全143か国の中で最も大きく順位を上げた。

 このほか報告書は、政府が公共支出を削減したり、企業が新規プロジェクトへの投資に慎重になったりしていることから研究開発費の伸びが鈍化していると指摘。ただし、中国、韓国、インドをはじめとするアジア諸国では今後、こうした活動への支出は増加するとの見通しを示している。(c)AFP