【7月19日 AFP】(写真追加)パレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区で19日、イスラエル軍の軍事作戦により新たに11人が死亡し、パレスチナ側の死者は300人を超えた。

 ガザ地区南部のハンユニス(Khan Yunis)では同日早朝、モスクの周辺が攻撃を受け、医療関係者によると女性1人を含む7人が死亡した。その後も空爆が続き、イスラエルが今回の攻撃を始めた今月8日以降の死者はパレスチナ側が307人、イスラエル側が2人になった。この他にパレスチナ側に2250人前後、イスラエル側に数人の負傷者が出ている。

 ガザ地区の状況は18日の日中は比較的静かだったが、イスラエル軍は夜になって戦車による砲撃や空爆など集中的な攻撃を始め、再び攻勢を強めた。

 ガザ地区救急当局広報のアシュラフ・アルクドラ(Ashraf al-Qudra)氏によると、ガザ北部で戦車が住宅を砲撃し、一家のうち子供4人を含む8人が死亡した。ガザ市の東部でも複数の攻撃で合わせて4人の子どもが犠牲になり、中にはまだ2歳の子供もいたという。

■停戦への動き

 パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は18日、エジプト・カイロ(Cairo)の空港でローラン・ファビウス(Laurent Fabius)仏外相と会談し、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)に停戦を受け入れさせるため、ハマスと関係の深いカタール、トルコ両政府に仏政府が働き掛けるよう要請した。

 アッバス議長はファビウス外相との会談後トルコに入り、エジプトが提案した停戦案への支持をトルコ政府に訴えた。パレスチナ自治政府の関係者によれば、戦闘の激化を食い止めるためにエジプトが仲介した停戦協議は、ハマスがイスラエルにガザ地区の包囲解除を含む包括的な停戦を要求したため失敗に終わった。

 国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長も停戦に向けた交渉を後押しするため、19日に中東地域に向け出発する予定だ。(c)AFP/Adel ZAANOUN