マレーシア航空機墜落にロシアの影、米政府
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【7月19日 AFP】(一部更新)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は18日、ウクライナ東部に墜落し乗客乗員298人全員が死亡したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便はウクライナの親ロシア派の支配地域から発射された地対空ミサイルで撃墜されたとする声明を発表し、親ロシア派はロシアから技術的支援を受けていた可能性があるという見方も示した。
オバマ大統領は、MH17便に実際に何が起きたのか最終的な結論はまだ出せないとしながらも、高度約1万メートルを飛行中のジェット旅客機を破壊できるのは精密なミサイルだけだと指摘し、次のように述べた。
「分離独立派の1グループが軍用輸送機やジェット戦闘機を精密な装備と訓練無しに撃ち落とすことはできない。装備や訓練はロシアから来ているのだ」
オバマ大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に必要な措置を取るよう圧力を強めるとともに、「欧州と世界にとってウクライナ東部の紛争のエスカレートには結果が伴うという警鐘になっただろう」と述べ、欧州諸国にウクライナの親ロシア派に対する対応を強化するよう求めた。同大統領は、米国とオランダの二重国籍者1人が今回の墜落で死亡したことも明らかにした。
サマンサ・パワー(Samantha Power)米国連大使は国連安保理( UN Security Council)の緊急会合で、米政府がマレーシア航空機の撃墜に使用されたと考えているSA11ミサイルは複雑な兵器であるため親ロシア派武装勢力が独力で運用したとは考えにくいと指摘し、米国としてはロシアが技術的支援を提供した可能性を排除できないと述べた。(c)AFP/Stephane ORJOLLET with Max DELANY in Kiev and Stephen COLLINSON in Washington