【7月18日 AFP】イスラエル軍は17日夜、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での地上侵攻を開始した。同地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)によるロケット攻撃を制圧するためとしている。軍とベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が発表した。

 軍は声明で、「ハマスが10日連続で陸空海からの攻撃を行い、さらに事態の収束を図るための提案も繰り返し拒否したことを受け、イスラエル国防軍(Israel Defense ForcesIDF)はガザ地区における地上作戦を開始した」と発表した。また首相府も、「首相と国防相は軍に対し、地上作戦を開始し、ガザ地区からイスラエル領内に通じるテロリストのトンネルを攻撃するためガザに侵攻するよう命じた」としている。

 地元救急当局によると、ガザ地区南部ラファ(Rafah)で18日未明、戦車による砲撃が複数あり、生後5か月の乳児ら2人が死亡した。また、北部のベイトハヌン(Beit Hanun)でも戦車の砲撃によって男性2人が死亡。その後ラファではさらに1人が死亡したという。イスラエルのガザ地上侵攻が発表されて以降に死者が報告されたのはこれが初めてで、7月8日以降のガザ地区での死者は計246人となった。

 イスラエルのガザ侵攻を受けてハマスの報道官は声明で、「ガザに対するイスラエルの地上攻撃開始は危険な一歩であり、どのような結果を招くかが予測されていない」として、「イスラエルは高い代償を払うことになる。ハマスは対決する用意ができている」と宣言した。

 ガザ地区では17日、人道支援を理由とした一時的な停戦が実施され、住民らに物資の調達や安全な場所への避難のための短い時間が与えられたが、停戦が午後3時(日本時間同9時)に終わると同時に、ガザから飛来したロケット弾がイスラエル南部に着弾。対するイスラエル軍もガザへの空爆を再開、医療関係者によるとガザ市(Gaza City)中心部への攻撃で子ども3人が死亡した。

 一時停戦が終了し攻撃が再開される中、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はガザ地区の無人になった学校1か所から20ほどのロケット弾が見つかったと発表。これは国際法の「重大な違反」に当たるとして、ロケット弾を設置した「単独または複数の集団」を非難した。(c)AFP