【7月16日 AFP】台風9号(アジア名:ラマスーン、Rammasun)が上陸したフィリピンは広い範囲で暴風に見舞われ、15日夜には同国東部のサマル(Samar)島で倒れてきた電柱に当たって女性1人が死亡した。

 このほか同国東部ビコル(Bicol)地方の警察によると、14日にカタンドゥアネス(Catanduanes)島沖に漁に出た地元の男性3人が15日になっても島に帰らず、行方不明になっている。

 太平洋(Pacific Ocean)からフィリピン東部に上陸した台風9号の最大風速は70メートルに達し、木が倒れたり屋根が飛ばされたりする被害が出た。

 台風の中心は15日夜、ビコル地方のアルバイ(Albay)州レガスピ(Legazpi)を通過。16日午後に首都マニラ(Manila)などの人口密集地を通過すると予想されていたが、台風の中心がマニラを直撃することはかろうじて避けられた。

 しかしマニラ市内は暴風が吹き荒れ、折れた木の枝であちこちの電線が切れたことから16日の夜明け直後から金融街マカティ(Makati)を含む市内各所で停電した。16日はマニラ市内の政府機関と学校が休みになり、当局は屋内にとどまるよう住民に呼びかけた。

 コラソン・ソリマン(Corazon Soliman)社会福祉開発相は、フィリピン全土では約45万人が避難所に避難したと述べた。

 フィリピン気象庁(Philippine Atmospheric, Geophysical and Astronomical Services AdministrationPAGASA)によると、台風9号は16日午後に南シナ海(South China Sea)に抜け、中国南部に向けて進むとみられている。

 フィリピンは昨年11月にも超大型の台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)が直撃。約7メートルの高潮が発生し、約7300人が死亡するフィリピン史上最悪の自然災害を引き起こしていた。(c)AFP