【7月14日 AFP】ウクライナ東部で13日、政府軍と親ロシア分離派との衝突により、民間人15人が死亡した。ロシアとの国境周辺で続く戦闘では、これまでに550人以上が死亡。東西間の緊張関係はこの週末でさらにエスカレートし、全面的な内戦に発展する懸念が高まっている。

 西側諸国とウクライナ政府がロシアから武器提供を受けていると主張する親露勢力は11日、ロシア国境近くでのグラート多連装ロケットランチャーを使用した攻撃により政府軍の兵士19人を殺害、100人近くを負傷させた。

 その後の攻撃でさらに兵士18人と民間人23人が死亡。ウクライナ政府によると、うち15人はミサイル攻撃で、その他は東部各地で親露派が夜間に実施した攻撃で死亡した。

 政府当局者によると、親露派の拠点ドネツク(Donetsk)郊外では9人が死亡、少なくとも8人が負傷した。さらに別の親露派拠点ルガンスク(Lugansk)市の当局によると、市内各地での事件で6人が死亡、7人が負傷した。

 親露派の司令官は、ウクライナ軍が戦車数十台をルガンスク郊外に配備し、同市への侵撃を準備していると述べている。

 ロシアの国営テレビ局は13日、ルガンスク市内の舗装道路を2台の戦車が移動している場面とされる映像を放送したが、ウクライナ東部での軍事作戦に関わる当局者はこの映像について「パニックを引き起こすために作られたもの」として、戦車が政府軍に所属するものであることを否定した。(c)AFP/Dmitry ZAKS