アフガン大統領選、全票を審査へ 米の仲介で両候補が同意
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【7月13日 AFP】アフガニスタン大統領選の不正疑惑による混乱の収拾を図るため11日に現地入りしていたジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は12日、決選投票で投じられた全ての票に対し全面的な審査を行うことで、対立する両候補者が同意したと発表した。
任期満了に伴い退陣するハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の後継者を決めるため先月実施された大統領選の決選投票をめぐるこう着状態は、アフガニスタンを危機的状況に陥らせた。2016年末までに全軍部隊の撤退を目指す米政府は円滑な政権移行を望んでいたものの、その期待感は後退した。
決選投票の暫定結果では、アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)元財務相が優勢となったが、前回の大統領選で敗れたアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相は、大規模な不正が行われたとして、真の勝者は自分だと主張していた。こう着状態となるにつれ、度重なる抗議行動から部族間抗争に陥ったり、同国を荒廃させた1992~96年の内戦時のような部族間の戦いに逆戻りしかねないといった懸念も出ていた。
しかし、ケリー米国務長官が仲介役を務めた2日間の協議の結果、両候補者は12日夜、合意に至った。ケリー氏は記者団に対し、「両候補者は最大規模の監査に参加し、その結果を待つと約束した。投じられた票の全て、800万票が監査を受ける」と述べた。
今回の合意は、国連(UN)が10日に発表した提案よりも厳格な内容だ。国連の提案では、票の水増しが疑われている8000か所余りの投票所のみの監査が求められていた。これらの投票所で投じられた票数は全体の約44%に当たる。(c)AFP