【7月12日 AFP】ウクライナ政府軍は11日、同国東部の親露派との軍事衝突で兵士23人が死亡したと発表した。過去数十年間の欧州で最悪となった戦闘の休戦に向けて欧米が抱いている希望がくじかれる恐れがある。

 ウクライナ国防省によると、死者23人のうち19人はトラック搭載のグラート多連装ロケットランチャーから発射されたロケット弾で死亡した。ウクライナ政府と米国政府は、グラートのような武器をウクライナ反政権側に秘密裏に供給できるのはロシアしかいないと主張している。

 ウクライナ政府軍の東部攻撃担当の報道官は、この他に93人の兵士が「さまざまな程度の創傷や挫傷」を受けたと述べた。

 欧米が支持するウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は、今月1日の休戦停止・攻勢再開以来、最多の死者を受けて開かれた緊急安全保障会議で「反政権側には、わが軍の兵士1人の生命につき数十人から百人の生命を支払うことになるだろう」と強調し、 「テロリストは一人残らず責任を取らせる。奴らの最後の一人まで当然のデザートを食らわせる」と述べた。

 ウクライナ軍は別の発表で、戦闘による死亡者がウクライナ危機が発生した昨年11月以降で最悪の水準を記録したここ数日で、100人近い戦闘員を「排除」したと主張した。(c)AFP/Stephane ORJOLLET and Dmitry ZAKS in Kiev