スキャンダル続きのバチカン銀行、新総裁に仏実業家
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【7月10日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)は9日、数々のスキャンダルに見舞われている財政管理組織「宗教事業協会(Institute for Works of Religion、IOR)」(通称バチカン銀行)の新総裁に、フランス人実業家のジャンバティスト・ドフランシュ(Jean-Baptiste de Franssu)氏(51)を任命した。フランシスコ(Francis)法王が命じた法王庁の財政的枠組の抜本的見直しの一環だ。
バチカン銀行では、1年間の内部調査の結果、疑わしかったり、不適格であったり、休眠したりしていた何千もの口座を閉鎖または停止するなど、組織改革が進められてきた。
同氏の任命の前日には、口座の整理によって昨年の収益が全て帳消しになったことが発表されていた。
法王は昨年の夏、数十年にわたりスキャンダルに見舞われてきた法王庁の公的財政の完全透明化を誓約。ドフランシュ氏と米コンサルタント企業を含む金融専門家チームは以降、バチカン銀行の改革準備を進めてきた。
改革は不動産とソブリン債投資を管理する聖座財産管理局(Administration of the Patrimony of the Apostolic See、APSA)や、法王庁の年金基金、広報部門にも影響を与えている。
バチカン銀行の改革には、新設する組織「バチカン資産管理(Vatican Asset Management、VAM)」への資産の移転が含まれる。一方でAPSAは財務省に吸収される。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE