シー・シェパード創設者、捕鯨再開示唆する安倍首相に書簡
このニュースをシェア
【7月9日 AFP】反捕鯨団体シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)創設者のポール・ワトソン(Paul Watson)前代表の、日本が調査捕鯨を再開するようであれば同団体が精力的に立ち向かうだろうと警告する内容の書簡が8日、オーストラリアを訪問中だった安倍晋三(Shinzo Abe)首相に手渡されていたことが分かった。ワトソン前代表が明らかにした。
10年近くシー・シェパードの反捕鯨活動を率いてきたワトソン前代表は、オーストラリアの首都キャンベラ(Canberra)で8日開かれた公式晩さん会で、同国の緑の党(Australian Greens)の上院議員、ピーター・ウィッシュウィルソン(Peter Whish-Wilson)氏が安倍首相に書簡を手渡したと明らかにした。
国際司法裁判所(International Court of Justice、ICJ)は3月、日本が南極海で行っているのは商業捕鯨に相当し調査としては認められないと判断し、日本に捕鯨停止を命じた。
これを受け日本政府は南極海での今年度の調査捕鯨を取りやめる方針を固めていたが、ICJの決定以降、安倍首相はICJの禁止命令に違反しない方法での捕鯨再開に意欲を示している。
ワトソン前代表は書簡で、日本が捕鯨を再開するようであればシー・シェパードが日本の船員への妨害を再開すると警告。さらに、安倍首相に対し日本を「偉大な海洋保護国」に変えるよう呼び掛けた。
また、「日本がICJの決定に従うことと、商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)と南極海鯨サンクチュアリ(Southern Ocean Whale Sanctuary)を尊重することを、世界中のシー・シェパードのボランティアを代表して敬意を持って要請する」とし、さらにワトソン前代表は、「仮に2015年に日本の捕鯨船が南極海鯨サンクチュアリに戻れば、シー・シェパードの船舶とボランティアもまた戻り、不法な捕鯨活動の継続に反対するだろう」と、書簡で述べた。(c)AFP