【7月9日 AFP】米軍の最新鋭ステルス戦闘機「F35」が、来週英国で行われる航空ショーでデビューできるかどうか見通しが立っておらず、場合によっては巨額の費用がかかっている開発計画に大きな打撃となりそうだ。

 F35の開発に多額を投資してきた英国で今月14~20日に行われるファンボロー国際航空ショー(Farnborough International Airshow)は米軍関係者にとって、最新鋭のF35を世界に見せつける格好の機会となるはずだった。

 しかし会見で、F35が予定通り同航空ショーで飛行するかと尋ねられた米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は「それについてはまだ決定が下されていない。ファンボローに参加させることができなければ当然、われわれは非常に落胆するだろう。とは言っても、何よりも安全を最優先すべきだし、現にそうしている。何が起きたのか正確に知るまで、(F35を)慌てて空へ帰すことは誰も望んでいない」と語った。

 米海兵隊のために設計された短距離離陸・垂直着陸(STOVL)型の「F35B」4機は、同航空ショーに登場する予定だとされている。うち1機は英軍に所属する機体で現在、米国で試験飛行が行われている。

 先月23日に起きたエンジンの発火を受け、米空軍と米海軍はそろって前週、F35全機の飛行中止を命じ、全機の検査を行わせている。米空軍によれば、フロリダ(Florida)州のエグリン空軍基地(Eglin Air Force Base)で離陸時に滑走路上で機体後部から炎が上がったという。飛行士は無事機体から脱出し、火は消し止められたが、当局はまだ詳しい発火原因を発表していない。(c)AFP/Dan De Luce