【7月9日 AFP】子ども兵の救出と保護に向けた活動を行うスイスの団体「ジュネーブ・コール(Geneva Call)」は8日、シリアのクルド人勢力がここ数か月の間に、多数の子ども兵を解放したことが分かったと発表した。

 シリアの主要なクルド人武装勢力、クルド人民防衛隊(People's Protection UnitsYPG)は先月、未成年の兵士を実戦に配備することをやめ、新規採用も中止すると公約。ジュネーブ・コールの創設者、エリザベス・ディクレー・ワーナー(Elisabeth Decrey Warner)氏によると、18歳未満の兵士合わせて149人がそれ以降、除隊を認められた。

 しかし、YPGには現在も、女性防衛部隊(Women's Protection UnitYPJ)に所属する兵士を含め100人ほどの子ども兵が所属しているとみられる。

 解放された未成年の兵士たちは、シリア北部で除隊を許されたという。YPGは同地域で、すでにシリアとイラクの広範囲を支配下に置いたイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派「イスラム国(Islamic StateIS)」(旧「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」)の攻撃をくい止めようとしようとしている。

 シリアにいる子ども兵の総数は確認されていない、しかし、国外に逃れたシリア反体制派に近い団体「人権侵害証拠収集センター(Violations Documentation Centre)」によると、同国で2011年9月以降に殺害された「非民間人」の未成年者の数は、194人に上っているという。(c)AFP/Jonathan FOWLER