【7月9日 AFP】魔法使いのハリー・ポッター(Harry Potter)が8日、7年ぶりにその姿を見せた──J・K・ローリング(J.K. Rowling)氏による新作の短編小説で、ハリーは白髪まじりの34歳近い主人公として登場している。

 ウェブサイト「(Pottermore)」に掲載されたゴシップ欄の形をとった記事の中で、ハリーと友人たちは、ほうきの柄にまたがって競うクィディッチ(Quidditch)の試合で再会している。

 この1500ワードの新作では、ハリーの赤毛の友人ロン・ウィーズリー(Ron Weasley)の頭が薄くなるなか、ロンの妹ジニー・ウィーズリー(Ginny Weasley)とハリーの結婚生活をめぐって疑問が投げかけられている。

 ハリーは額の稲妻型のあざの他に、新たに頬にもあざをつけている。「34歳を迎えるオーラー(Auror)は黒髪に白髪が混じり始めた。独特の丸眼鏡は健在で、さえない12歳なら似合っていると言われそうだ」と作品はつづる。

 最新作はサイト中の日刊紙「デーリー・プロフェット(Daily Prophet)」のリータ・スキーター(Rita Skeeter)によるゴシップ欄の形で書かれている。リータ・スキーターは、英国のイエロー・ジャーナリズムに対する作者自身の批判の象徴とされている。

 物語では、ハリーは2人の息子、ジェームズとアルバスを「2014年クィディッチ杯」観戦に連れ出す。

 だが、試合を取材報道する今やジャーナリストのジニーとの結婚生活の問題を暗示し、「ポッター家は幸福な姿をやっきになって示しているが、2人の亀裂が現れはじめているのか」と問いかける。

 一方、家族経営のマジック・ショップで働くロン・ウィーズリーについては、彼の「精神的な問題」についてコラムでささやいている。

 新作では、ロンとハーマイオニー・グレンジャー(Hermione Grainger)の間には2人の子どもがいる設定だ。

 ハーマイオニーは魔法法執行部(Department of Magical Law Enforcement)の副代表という流星のような出世を果たしたが、リータ・スキーターは「ハーマイオニーは、本当に魔法使いが何でも望むものを手に入れられる証明になるの?」と疑問を呈す。

 この新作は、Pottermoreに掲載される予定のサッカーW杯ブラジル大会を念頭に置いたクィディッチ杯を描くシリーズの一部。最終回は近く公表される予定で、ジニーがブラジル対ブルガリアの決勝戦を取材報道するという。(c)AFP