【7月9日 AFP】多くの米国市民にとって、裁判の陪審員を務めることは困難で、重い精神的負担につながりかねない義務だが、召喚されたのが歌手マドンナ(Madonna)さんなら話は別だ。2時間我慢すれば「混乱を来す」との理由で放免してもらえる。

 陪審員の召喚状を受けたマドンナさんは7日、筋骨たくましいボディーガードたちを従え、数百人の一般市民に交じってニューヨーク州高位裁判所(New York Supreme Court)に出頭。他の一般の人たちより1時間遅い午前10時に到着した。

 しかし当局は、マドンナさんのスーパースターとしての知名度の高さが裁判の助けになるというよりもむしろ妨げになる恐れがあると判断し、陪審義務を解除した。

 同裁判所の報道官はAFPに対し、マドンナさんは「陪審員の召喚状を受け、陪審義務を果たすために出頭した。そのこと自体は良いことをしてくれたと思っている。市民なら誰でも召喚されるのだということ、そして呼ばれたら出頭しなければならないということが示された」と語った。

 マドンナさんは裁判所で撮影した写真を、「国民の義務を果たしているところ!陪審員選任手続きに出頭!」というコメントに「#itshotinhere(ここは暑い、の意)」というハッシュタグを添えて写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」に投稿。2万1700以上の「いいね!」が付いた。

 同報道官は、マドンナさんを帰宅させたことは正しい判断だったと強調するとともに、遅刻については裁判所の便宜を図るためだったとマドンナさんを擁護。「必要以上の陪審員候補者が出頭していたため、わざわざ他の人の気をそらせたり、手続きを妨げることもないという判断で帰ってもらった」としている。

 マドンナさんが前回陪審員の召喚状を受けた際は、医師の診断書を提出した上で出頭していなかった。マドンナさんが次に召喚状を受け取るのは6年後になるとみられる。(c)AFP