過去の中にあるモダニティー、「ディオール」14/15年秋冬オートクチュール
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【7月11日 AFP】「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」のクリエイティブ・ディレクター、ラフ・シモンズ(Raf Simons)は7日、パリ(Paris)で開催されたショーで、20世紀初頭のエドワード王時代のコートやコルセットがフラッパードレスや宇宙服と融合したような、「歴史を旅する」オートクチュールコレクションを披露した。
俳優のショーン・ペン(Sean Penn)とシャーリーズ・セロン(Charlize Theron)のカップルや、マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)などのセレブたちが見守るなか、パリ・ロダン美術館(Rodin Museu)を会場にショーはスタートした。
白く円形の建物はショーの最後に、離陸を待つ宇宙船のようにも見えた。小さなドアから続く、鏡が並べられた部屋の壁には、床から天井まで一面白い花で埋めつくされていた。
「歴史的なものから、極めてモダンなものを探しだすプロセスに興味がありました。1つの時代の基礎を成したものが、どのようにして違う時代の土台となっているのか、過去はどのようにして未来を形作っているのか。そういった点に関心を持ちました」とシモンズ。
今回のコレクションは、ブランドのアーカイブに加え、18世紀の宮廷コートやビッグスカート、1920年代のルーズなフラッパードレスに影響を受けている。
「過去を遡るほど、モダンに感じました。それはこの10年の『モダン化』されたルックとは違います」と、シモンズは付け加えた。
■生活スタイルに合ったオートクチュール
ランウェイで発表されたのは、刺繍をあしらったシルクのジャンプスーツ、ラウンドショルダーのウールのコート、オーバーサイズのケープのような襟、背中にプリーツの入ったジャケットだ。
カラーパレットは、ほとんどがペールグリーンやピンク、オフホワイト、ブラック、ネイビーだが、鮮やかなブルーの刺繍を施したシルクのドレスや華やかな赤のウールジャケットなど、大胆なカラーも見られた。
シモンズは最近のコレクションで繰り返しモダニティーをテーマにしている。昨年7月のコレクションでは、アフリカのビーズ飾りなど多文化の要素を取り入れたデザインで、ブランドの特徴的なフレンチスタイルから一歩離れたと評された。
今年に入りシモンズは、女性に特定のスタイルを無理強いさせたくないと語っている。目指すのは、彼の服を着ていてもハイヒールを脱ぎ捨てて踊りに行けるようなスタイルだという。「(オートクチュールは)劇場に行くように、女性たちが観賞するものになってしまいました。もっと生活スタイルに結び付けたものにしたいと思っています」(c)AFP/Helen ROWE