【7月8日 AFP】アフガニスタン大統領選の決選投票の暫定結果が7日発表され、世界銀行(World Bank)のエコノミストを務めた経験を持つアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)元財務相の得票数が対立候補を上回った。しかしこの開票結果をめぐり、不正の疑いが論争に発展する恐れがあり、情勢の不安定化を懸念する声が高まっている。

 先月14日に行われた決選投票の得票率は、ガニ氏が56.4%だったのに対し、対抗馬のアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)元外相は43.5%だった。ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の後任を決めるため、8人が立候補して今年4月に行われた1回目の投票時とは逆転する結果となった。

 選管当局は、1350万人と推定される有権者のうち予想を大きく上回る800万人以上が投票したとしており、この投票率の不自然なまでの高さを根拠に両陣営が相手側の不正行為を激しく非難し合うのは必至とみられる。

 独立選挙委員会(Independent Election CommissionIEC)の委員長は記者団に対し、「選挙過程に不正や違反がなかったとは言い切れない」として、治安部隊の他、知事ら自治体トップを含む政府関係者の関与を否定できないことを明かした。

 同委員長はさらに、この暫定結果の監査と不正があったとする申し立ての裁定を経て今月24日ごろに正式結果が出される見通しだとして、「暫定結果は選挙勝利者を確約するものでは決してない。結果が覆ることもあり得る」としている。

 アフガニスタンの次期大統領は、旧支配勢力タリバン(Taliban)と13年間戦ってきた米軍主導部隊が完全撤退し、国際援助の減少に伴って経済が低迷する難しい時期に同国のかじ取りを担うことになる。(c)AFP/Mushtaq MOJADDIDI