【7月7日 AFP】ウガンダ西部のコンゴ民主共和国との国境近くで5、6の両日、地元部族の武装集団と政府軍との間で戦闘があり、少なくとも65人が死亡した。当局が6日、発表した。

 戦闘があったのはウガンダとコンゴの国境にまたがるルウェンゾリ（Rwenzori）山脈に近いカセセ（Kasese）とブンディブギョ（Bundibugyo）の両地域。軍報道官はAFPの取材に、「武装部族集団がブンディブギョの兵営を襲撃したが、撃退した」「事態は収拾されている」と語った。

 また別の軍報道官は「これまでに襲撃側の54人を戦闘不能にし、さらに40人の身柄を拘束した。これにより、同地域には平穏がもたらされた」「現地では襲撃者が隠れている可能性があり、まだ捜索が続いている」と述べた。

 警察関係者によると、5日に起きた衝突と6日に行われた治安作戦による死者数は計65人で、これには民間人と兵士がそれぞれ数人含まれている。

 襲撃の理由と首謀者は今のところはっきりしないが、同地域では最近、キリスト教徒とイスラム教徒の住民の間での暴力事件が起きている。また同地域は、イスラム反体制派の活動で知られている地域でもある。

 同国軍は5日の衝突の数時間前、国境地域で2週間前に起きたイスラム教徒によるキリスト教会襲撃事件の容疑者を殺害したと発表していた。この事件では、女性の首が切り落とされ、祭壇に置かれた。ウガンダのメディアによると、同国では事件を受け、キリスト教徒によるイスラム教徒への報復攻撃が複数起きている。

 軍・警察はともに、こうした攻撃と反体制派との関係を否定した上で、地元の部族・住民間の緊張に原因があるとしている。軍報道官は、コンゴとの国境地域を拠点にウガンダ政府に対する武装闘争を続けるイスラム勢力「民主勢力同盟（Allied Democratic Forces、ADF）」に言及し、「カセセとブンディブギョで起きた襲撃事件は、ADFではなく、部族の紛争に関連ている」と説明。「襲撃者3人を捕らえており、尋問中だ。いずれ事件の首謀者がわかるだろう」と述べた。(c)AFP/Grace Matsiko