ドイツの情報機関職員を逮捕、米に情報提供した疑い
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【7月5日 AFP】ドイツの複数のメディアは4日、米国に情報提供した疑いのあるドイツの情報機関職員の男(31)が2日に当局に逮捕されていたと報じた。米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)の盗聴問題について調査していた独連邦議会(下院)の調査委員会の情報を米側に提供していた疑いが持たれている。
逮捕されたのはドイツの情報機関「連邦情報局(BND)」の職員。米国が情報収集活動の対象にドイツも加えていたことが明らかになった昨年以降、冷え込んだ両国関係の修復に向けた努力に水が差される恐れもあると報じられている。
ドイツ連邦検察庁の検事総長は、外国の情報機関に対して情報提供を行った疑いでこの男を逮捕したことを認めたが、男が情報を提供していた国名など、事件の詳細は明らかにしていない。
ドイツの複数のメディアによれば、逮捕された男は、米当局の監視プログラムを暴露して訴追されているNSAのエドワード・スノーデン(Edward Snowden)元職員の主張に関して調査を行っている独議会の調査委員会について少なくとも1度、情報を提供したことがあるという。
シュテフェン・ザイベルト(Steffen Seibert)独首相報道官は、独政府は警察の捜査の結果を待った上で対応すると述べた一方、外国の情報機関のために活動することは「軽く受け止められることではない」と述べた。
同報道官は、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相はこの件について3日に報告を受けたと語ったが、ウクライナ情勢について同日行われたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との電話会談で、この問題が話し合われたか否かについては明らかにしなかった。
一方、同国の北ドイツ放送(NDR)は、男は当初、ロシアの情報機関に接触しようとした疑いで逮捕されたが、取り調べの中で米国に情報提供したことを認めたようだと伝えている。またNDRは、捜査関係者らは男が米側に誤った情報を提供した可能性を排除していないという。(c)AFP/Kate Millar