フェイスブックの心理実験は「逸脱」、米当局に苦情申し立て
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【7月4日 AFP】米SNS大手フェイスブック(Facebook)が利用者に告知せずに心理実験を行っていた問題で、米電子プライバシー情報センター(Electronic Privacy Information Center、EPIS)は3日、フェイスブックが「人々の心をもてあそんだ」として米連邦取引委員会(US Federal Trade Commission、FTC)に苦情を申し立て、早急な調査を要請した。
米電子プライバシー情報センターはFTCへの申し立ての中で、フェイスブックの実験が消費者をだましプライバシー設定に関する合意に違反したと批判した。
またEPISは「(フェイスブックは)意図的に人々の心をもてあそんだ」と批判。利用者から肯定的または否定的な感情反応を引き出すために「ニュースフィード」を操作したことは「人を対象とした実験の基本的な倫理慣習を逸脱している」と指摘した。
EPISは申し立ての中で、FTCに調査を求めるとともに、同様の実験があった場合の中止と、ニュースフィードで使用されたアルゴリズムの公開を要求している。
この心理実験はインターネット上で大きな批判を浴びており、2日には英当局が調査を開始したことを発表。
さらに、実験結果をまとめた論文を掲載した米科学誌「米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)」も3日、フェイスブックが科学における倫理規定やインフォームドコンセント(十分な説明に基づく同意)の原則を守らなかったことに対し、懸念を表明した。(c)AFP