米南部で児童不法入国が急増、州知事「悲劇」を警告
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【7月4日 AFP】米テキサス(Texas)州のリック・ペリー(Rick Perry)知事は3日、メキシコ国境地帯で開かれた会議で、米南部の国境を越えてメキシコから流入する子どもが急増している問題について、子どもたちを速やかに本国に送還しなければ「途方もない悲劇」が生じ、安全保障上の危機となる恐れがあると警告した。
議長を務めた下院国家安全保障委員会のマイケル・マコウル(Michael McCaul)委員長は、「10月以降、5万人を超える子どもが同伴者なしで南部国境から米国に流入している」と指摘。2015年には越境を試みる子どもの数が15万人を超えるとする推計を引用した上で、「子どもたちを1人当たり5000~8000ドル(約50万~80万円)で密入国させている麻薬カルテルによって、この子どもたちは搾取されている」と懸念を表明した。
ペリー知事は、同伴者のいない子どもを施設に収容したり、米国内に在住する親族に面倒をみさせたりする当局の方針は、中米などからの移民の「大量流入」を助長する恐れがあるとし、子どもたちを速やかに本国へ送還しない限り「この人道危機は(当事者の)子どもたち、さらに国境沿いの市民にとって途方もない悲劇を生じさせる」と警告した。
さらにペリー氏は、国境警備に割かれるべき要員や資金が、移民の大量流入への対処にまわっている事態は「第2の危機であり国家安全保障の問題」だと述べた。(c)AFP