スコットランド、独立なら金融危機にぜい弱に 分析
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【7月2日 AFP】スコットランド(Scotland)が英国から独立した場合、スコットランドの銀行資産は国内総生産(GDP)の12倍に上る規模に拡大し、金融危機からの打撃を受けやすくなるとの見方を、金融業界誌「バンカー(Banker)」が6月30日に示した。
英国からの独立の是非を問う住民投票を9月に控えるスコットランドでは、今回の調査結果を受けて、独立賛成派と反対派の議論がますます活発化するとみられる。双方とも、自派の主張が通れば、スコットランドは経済的な余裕が生まれるとしている。
バンカー誌の調査によると、スコットランドに本社を置くロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(Royal Bank of Scotland、RBS)とハリファクス・バンク・オブ・スコットランド(Halifax Bank of Scotland、HBOS)、クライズデール銀行(Clydesdale Bank)の資産総額は推計2兆6000億ドル(約260兆円)で、スコットランドのGDPの12倍に上る。
これに対し、英国全体の銀行資産は9兆9000億ドル(約1000兆円)でGDPの約4倍。金融危機に陥る以前のアイスランドの銀行資産はGDPの10倍だったという。
バンカーの編集者、ブライアン・カプレン(Brian Caplen)氏は、「金融危機のさなかに独立していた場合、スコットランド経済は打撃を受け、国際通貨基金(IMF)に支援を求めざるを得なかったのはほぼ間違いない」と述べた。
スコットランド自治政府は、ロンドン(London)拠点の投資銀行の資産も合算している上、金融危機以降の銀行部門の改革を考慮していないと指摘し、調査結果を否定。一方、独立に反対する運動「ベター・トゥギャザー(Better Together)」の広報担当者は調査結果について、「独立によってスコットランド経済の安定に大きなリスクがもたらされることを裏付けている」と話した。(c)AFP