【7月2日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で見出しを飾るのは、リオネル・メッシ(Lionel Messi)やネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)、ロビン・ファン・ペルシー(Robin van Persie)といった選手たちだが、今大会の真の英雄は、ティム・ハワード(Tim Howard)、ギジェルモ・オチョア(Guillermo Ochoa)、ジュリオ・セザール(Julio Cesar)ら、ゴール前の鉄火場に身を置くゴールキーパーたちだ。

 1日に行われた決勝トーナメント1回戦、ベルギー対オランダ戦の試合終了から数分後、ベルギー代表主将のヴィンセント・コンパニー(Vincent Kompany)は、自身のツイッター(Twitter)に「2つの言葉。ティム・ハワード #respect(尊敬)」とシンプルなメッセージを投稿した。

 ベルギーの決勝点を決めたロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)、そしてドリース・メルテンス(Dries Mertens)も、試合終了のホイッスルが鳴ると、ベルギーの猛攻を120分間受け続けた35歳のハワードと抱擁を交わした。

 ハワードはこの試合で、至近距離からのシュートや、クロスバーの上へ見事に掻き出した2本のシュートを含め、合計で16本のシュートをセーブし、1966年大会以降のW杯における最多セーブの記録を作った。

 米国の守備陣がメルテンス、ディボック・オリジ(Divock Origi)、エデン・アザール(Eden Hazard)らベルギーの攻撃陣を抑え切れていないように見える中、ユルゲン・クリンスマン(Jurgen Klinsmann)監督も、最後まで分からないゲームになったのはハワードのおかげだと話した。実際に米国は終了間際、同点に持ち込むチャンスも作った。

 クリンスマン監督は、「今日のティムのプレーはとにかく驚異的だった。試合が進む中で、われわれが試合に生き残ることができたのはティムのパフォーマンスあってこそだ」とコメントした。

 同様の賛辞は、グループAのブラジル戦でメキシコに0-0のスコアレスドローをもたらしたオチョアにも送られており、またブラジルのセザールも、チリ戦でゴール前に立ちはだかってチームを準々決勝に導き、国内では英雄視されている。

 コスタリカのGKケイロール・ナバス(Keylor Navas)も、ギリシャとの決勝トーナメント1回戦で、チームが10人での戦いを強いられる中、勝利の立役者となった。